農園だよりDiary

2016年8

2016.08.15
 皆さん今日は。 阿蘇では7月18日に梅雨明けして以来、毎日暑い日が続いています。今日(8月6日)は隣の大分県で38度を記録したとニュースで報じていましたが全国各地で夏らしい夏のようですね。我が家では夏の時期はハウスでトマトを栽培していますが毎日の収穫は暑さとの戦いです。外の気温でさえ暑いのにハウスの中は何とも言葉に言い表せない暑さです。人間の体もたいしたもので毎日の作業でこの環境に順応して、大量の水を飲み大量の汗を流して何とか熱中症にはならずに済んでいます。

 この好天で稲の生育はとても順調です。稲の穂は出穂するとすぐ開花するので穂が出揃うまで天気が心配ですが、今年はこれからもしばらく晴れの日が続くようですのでまずは一安心という所です。地震の影響で作付が出来ない田んぼや水が漏れる田んぼ、水がなかなか来ない田んぼ、いろいろ有ります。地震直後の土地改良区の会議では今年は用水の確保が難しいので全地区で稲の作付をやめようと言う案もあった中で、田植えが出来て穂が出ただけでも十分です。

 熊本地震については以前にもご紹介しましたが阿蘇の精神文化の根本である阿蘇神社の楼門、拝殿、神殿、国の重要文化財の建物が多数倒壊しました。復旧には長い時間とお金が掛かるようです。阿蘇神社は地域の農耕とも密接な繋がりがあり、一年を通して農耕祭事が執り行われており国の重要無形民俗文化財にも指定されています。その祭事の中でも最も重要な「おんだ祭り」が7月28日に行われました。

 今年は地震の影響で開催が心配されましたが神社と地域の氏子の熱意で例年通り開催されました。この祭りは神様に稲の生育をお見せすると言うもので四基の神輿に御神体を乗せて田んぼの道をゆっくりと優雅に進むものです。順路はすっかり宅地化して田んぼはほとんどなくなり、二百人の長い行列も道路を横切るときは交通巡視員の指示に従い窮屈な道中ですが、現代の華やかさとは無縁な素朴でゆったりとした時間のなかで進行していきます。

 途中で幾度も歌われる祭り歌は平安時代から受け継がれたもので聞いただけでは意味不明ですが、作物の豊作を願うもの、家の繁栄、恋愛、いろんな歌が有るそうです。これが平安のリズムなのかと感心する流れで歌われます。現代の忙しい時代の中で希少なのでしょう、全国からカメラマンが押し寄せます。我が家の息子も今回行列に参加しましたが神社の祭事は地域の住民が参加することで成り立っています。阿蘇のシンボルとしての阿蘇神社の復旧を願っています。
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