農園だよりDiary

2018年10

2018.10.09
 皆さん、こんにちは。

 実りの秋本番。我が家の米の収穫は終わりましたが、秋はいろんな美味しい食べ物が実るシーズンです。我が家の家庭菜園の隅にある甘ガキの実も、もうすぐ食べごろです。今年は表年なので夏の初めには沢山の実が結実しました。一枝に5個も6個も成りました。このままでは栄養が分散して大きな実にならないので摘果(実を間引くこと)をしました。お蔭で大きな実に成長したようです。これから気温が下がり、葉が落ちるころには糖度が増し、美味しい甘ガキになります。ところがこんなに美味しい柿なのに、いつも木になったまま熟して小鳥の餌になるか、又は落ちてしまうのです。樹が大きくて高い所だから採れないのなら仕方ないのですが、全然高くないのです。この通りは小学校の通学路で、朝夕には小学生もこの木の下を歩いて通っています。でも子供の手でも届く所にある実でも見向きもしてくれません。最近の子供は真面目ですね。と言うか柿よりも美味しいケーキやお菓子をいつも食べているので、しかもよその家の物を黙って取るのはいけないと言われているので誰も採らないのでしょう。

 昭和30年代生まれの昔の田舎の子供は、いつもお腹を空かしていた訳ではないのですが秋になると樹に成っているものが妙に気になって柿やクリ、山に行くとアケビ、木いちご等に、まるで花の周りを飛び交う蜂の様に引き寄せられて食べるのが楽しみでした。まだ子供時代の名残が少しは残っているのでしょうか、私は日が当たって色づきの良い柿の実をちぎって服の袖で2、3度コスってかぶりついて食べるのが好きです。でも我が家の者は誰も食べません。飽食の時代の影響なのでしょうかね。

 先月号でも書きましたが、地球暖化の影響でしょうか巨大台風が多いですね。先月には近畿地方に上陸する大きな台風が数個ありました。進路にあたる農家の人は大変だろうなと思っていました。9月末、台風24号が九州の南をかすめるように通過して行きました。ハウス園芸農家は台風には敏感です。私も40年間台風の進路と風向き、風の強さなどを考えハウスの防風対策をとってきました。今回は鹿児島の南を通過だから進路から距離のある阿蘇には直接的な被害はないだろうと判断したのですが、今までの私の経験値がさして当てにならない事を痛感しました。実際ハウスの破損などの被害は有りませんでしたが、それは紙一重でした。あの風の強さは、普通の台風なら直撃コースで来た時に匹敵するものでした。実際近所の木の、人の腕位の大きさの枝が何本も折れて道に落ちていました。自然の力を侮ってはいけませんね。今年も暮れに皆様にお届けしようと植えていた白菜が風にあおられ、葉が折れ、土を被り御覧のように無残な姿になりました。大根も茎から折れ、立ち枯れになりました。しかし自然の力で生き残る物も有ります。あまり期待をしないで待っていてください。

 そして24号の通り過ぎたあと、すぐ25号が来ました。今度の予報進路は九州の北を通過なのですが、これまでの経験から行くと、もっと近くを通るだろう。そして進路の右側の阿蘇は風が強いだろうと思い準備万端待ち構えていました。台風は予報進路通り進み、阿蘇ではあまり強い風は吹きませんでした。よかった、よかった。しかし私の40年間の経験は大してあてにならない事も証明されました。なにはともあれ、高をくくらず備えを万全にすることでしょうね。
PAGE TOP