農園だよりDiary

2019年3

2019.03.10
 皆さんこんにちは。

 3月を迎え、いよいよ春が来たなと言う感じになりましたね。阿蘇では2月から天候が良くなくて晴れの日も有りますが雨の日が多く、田んぼが乾く暇が有りません。まだ田んぼの仕事のシーズンでは有りませんが、何かとやりたい仕事が出来ない状態です。阿蘇恒例の北外輪山の野焼きも3月3日、日曜日に予定されていましたが雨で順延、今日(10日)も雨で、来週17日に延期されました。天候が悪ければ21、24,31日に順次、順延される予定です。過去には4月まで延びた事も何度か有りました。最近は天気予報が向上して大体予測が出来ますが、以前は現場に集合したら雨や雪が降り始めたことも有りました。春先の天候が安定しないこの時期に金土日、3日間、晴れか曇りが条件のこの作業、1組合で数百ha、約40の組合総出、1日で6千haの原野を焼き払うので人手がないと出来ません。私達組合員も3月は日程調整が大変です。来週は天候が回復するように天にお願いしたいと思っています。

 先月号で紹介した我が家の庭のクロッカスはその後、霜に打たれながらも咲きましたが寒い日が多く、花弁も大きくならなくていつの間にか散っていました。その株から2mしか離れていない株が今、満開なのです。条件としてはあまり変わらないのに開花時期が半月違います。また、例年我が家の庭では「サンシュウ」が咲いて梅と続くのですが、今年は梅が先に咲きました。今期は暖冬でしたが庭の小さな植物たちも自然の変化を敏感に感じて、それぞれの個体ごとに変化に対応しているのかもしれませんね。

 私の住んでいる阿蘇市の山田校区は、戸数400戸、工場もコンビニも信号機もなく、以前は何軒かあった商店も今はひっそり只1軒、郵便局と農協の営農センターと、あとは田んぼの地区です。阿蘇地域の中でも大きな規模の農家が多く、ついこの前までみんなバリバリ田んぼやハウスで汗を流していました。しかし、時代の潮流でしょうか、後を継ぐべき若者は少なく、校区から若者の姿が消え子供も少なくなって地域のシンボルであり私の母校である山田小学校は3月末を持って144年の歴史を閉じる事に成りました。私が通っていた50年前は300人いた児童が今は26人になり、複式学級で授業が行われていたのだそうです。地域のシンボルだの言いながら子供が成長すると全く無関心な自分に気づかされます。2月16日、閉校記念式典の案内が有りましたので参加することにしました。会場の小学校体育館は正に老若男女、地域の顔見知りの人で用意された椅子は満席、後ろは立ち見状態でした。第1部は厳粛な式典が行われ、第2部は144年の歴史を遡るスライドショー、90代60代40代20代の卒業生のトークショー。圧巻は地域に伝承されている「虎舞」を児童が授業の中で受け継ぎ、阿蘇市の子供文化祭で発表しているそうですが、その発表が行われ子供達が一生懸命演技する姿が感銘を受けました。学校はなくなっても地域の文化を受け継ぐ子供がいる事と、小学校に別れを告げる為に、こんなに沢山の人が集まったと言う事は、まだまだ「地域力」は捨てたもんじゃないなと思った次第です。
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