農園だよりDiary

2019年6

2019.06.10
 皆さんこんにちは。

 6月になり、関東あたりでは梅雨入りしたそうですが九州ではもうしばらく晴れの日が続くようです。阿蘇では食用米の田植えは終わり、今は飼料用米の田植えが行われています。全国的に米の消費が低迷し、日本では食用米以外の作物を作る転作が行われています。阿蘇では転作目標が耕地面積の43%に設定され牛の飼料米の作付けがトップです。日本は海外から沢山の食料品を輸入しています。また、世界規模で飢えに苦しむ人が沢山いるのに、せっかく苦労して作った米が牛のエサとはもったいない話ですね。ところが農家にとっては飼料米を作った方が得するように価格が設定され、牛に食べさせる事の違和感を麻痺させる仕組みが出来上がっているのです。しかし我が家では飼料用米は作らず、皆様に食べて頂く主食用米だけを作っています。

 我が家では5月22日に田植えが終わり、それから毎日、田んぼに網を張り合鴨を放す準備をして6月5日、9日と最後に今朝放しました。5月16日、孵化したばかりのか弱いヒナが届いて毎日朝昼晩世話をし、それからやっと解放され安堵しました。しかし7日に阿蘇では大雨と暴風が吹き荒れ田んぼの水位が上がった上を合鴨達がスイスイ泳ぎ回り、伸びたばかりの柔らかい稲の葉を押し倒し哀れな姿になってしまいました。もうしばらくすると起き上がる力のある株は起き上がり何も無かった事になるのですが、一難去って又一難。いろんな頭の痛い事が次から次に起こり対応して行かなければなりません。それが農業なのでしょう。だからこそ秋の収穫の喜びが大きいのでしょう。

種子法について

 これまで日本の食糧生産の基本となる米麦大豆の種子は都道府県が管理し、安定的に農家に届けるよう「主要農産物種子法」で守られてきました、しかし昨年4月この法律は廃止され今後は民間業者が参入することになり、これまで各都道府県が蓄積してきた知見は払い下げられる事になりました。今後参入すると思われるのは遺伝子組み換えやゲノム編集技術の種子販売を世界的に展開している海外企業だろうと言われています。日本の農家はその地域に合った品種を栽培してきましたが、今後は我が家で出来た籾を来年の種として使う事も禁止されています。現在日本には沢山の遺伝子組み換え農産物が輸入されています。例えば特定の除草剤に枯れない遺伝子を組み込んだ小麦、大豆、トウモロコシ、綿花。日本産の農産物には無縁のものでしたが今後は国内産の種子がこういう物になってしまう所まで来ています。私達農家は自信を持って皆様に食の提供をしたいと願っています。そのためにも国内の種子や伝統野菜のDNAを守る運動を始めました。皆様もご協力ください。

 今年も無農薬、無化学肥料トマトに挑戦しています。昨年は手探り状態でしたが今年は「有機JAS転換中」の認証を受けました。ハウス内では交配用のマルハナバチが飛び交い花にとまって交配しています。天敵昆虫のツヤコバチも放しています。これは目に見えないのですが害虫の数が少ないので活躍しているのでしょう。6月下旬には収穫の見込みです。
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