農園だよりDiary

2019年11

2019.11.03
皆さんこんにちは。

今年の秋は関東、東北地方で台風、大雨による災害が何度も発生しました。多くの方が犠牲になり、また広範囲で家屋や農地が被害を被り、穏やかな日常生活を失われた多くの方々がいらっしゃるようです。被害を受けられた皆様に、心からお見舞い申し上げます。

 阿蘇では秋の季節に霜宮神社の「火焚き神事」が行われます。神代の昔、弓の名手である阿蘇の開拓神「健盤龍命(たていわたつのみこと)」は阿蘇五岳の一つ「杵島岳」から外輪山にある「的石」に向けて矢を射るのが日課でした。その矢を拾うのは「鬼八」と言う家来です。ある日99回までは往復10㎞の道を走って矢を届けましたが百回目は疲れてしまって足で蹴って戻した為、怒った命に切り殺されてしまいました。鬼八の首は天に舞い上がり怨霊となって夏の終わりに早霜を降らせ作物が実らなくなりました。命は鬼八の霊を鎮め早霜が降らないように鬼八の首を暖める火焚きの神事を行いました。その神話に由来する祭事が今も絶えることなく毎年行われています。霜宮の地域の集落から選ばれた一人の少女が8月19日から10月16日までの59日間絶やすことなく火を守り続けます。以前は火焚き殿に籠っていたそうですが現在はおばあちゃんのいる家庭の少女が選ばれ少女は普通の生活をしながら火を守り、おばあちゃんや集落の人が24時間絶やさず火の守をしているようです。

 この火焚き神事が終わると阿蘇では霜の季節になり、この日が稲の品種選定、秋の農作業等、すべての基準になります。ところが最近はちょっと事情が変わってきたようです。5年前までは10月20日頃だった初霜が最近は11月上旬になりました。今年、霜注意報は発令されましたが、まだ朝の冷え込みが足りないようです。東京オリンピックのマラソン、競歩会場が札幌に変更になりました。招致の時の気温より温度が上がって競技が危険だとの理由ですが阿蘇で生活していて確かに気温が高くなってきたなという実感が有ります。国連で演説したグレタさんの主張のように我々大人は先ず一歩踏み出したいものです。「身の丈にあった」一歩を。

 稲の収穫も終わり仕事も一段落。夏の間に汗をかきバリバリ働いていたのが急に汗をかかなくなりました。体重計に乗ると確かに増えていました。①食事を減らす、②ビールをやめる、③運動をする。選択肢はいくつかありますが食べたいし、ビールは美味いし、じゃあ運動しようかと一念発起。6時半に起きて約30分、超早足で農道を歩いています。以前ラジオを聴いていたら筋肉に乳酸が溜まるくらいのきつい運動をして30分以内に糖質を取ると筋肉が補強されると言っていたのを思い出し朝食前に。

 早起きは3文の得と言いますが確かにいいことが有りました。毎朝、田んぼの水路に鴨が群れを成しています。最初の日、私が通ると驚いてバタバタと羽音を発てて飛び去って行きました。丸々と太った体を翼の運動で上に持ち上げていく一瞬の様子が目に焼き付いて、カメラを向けなかったことが後悔されました。翌日からは水路の横を通る時は静かに近寄り距離をつめてカメラを向けようと思うのですがなかなかいい写真は撮れません。これから冬に向かい鴨たちも数を増してくると思うので良い写真が撮れるよう明日からも早起きします。
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