農園だよりDiary

2021年8

2021.08.09
 皆さんこんにちは。

 コロナ感染拡大、非常事態宣言の中で開催された東京オリンピック。開催の一年延期、無観客など異例の事態となりましたが無事閉幕しました。世界中から一万一千人の選手と加えて選手をサポートする人、大会運営にあたる人、ボランティア等々、沢山の人が集まり心配されたオリンピック関係者のパンデミックもなく、運営された組織委員会の御苦労は大変なものだったでしょう。競技後のインタビューではどの選手からも「この場」を作ってくれた事と自分を支えてくれた人への感謝の言葉が聞かれました。1980年モスクワ五輪。国際政治により西側諸国は参加ボイコット。4年に一度に照準を合わせてきた選手達が集まり、涙ながらに参加を訴えた番組を以前見ました。今回は一年延期となりましたが選手にとって無観客でも開催されたことは良かったですね。九州人は観戦しに東京に行く時間の余裕も無いので、予定通りテレビで観戦し日本選手の大活躍を毎日楽しみました。
日本選手団は57個のメダル獲得だそうですがメダリストになれたのはほんの一部、参加200国の中には一つも取れない国が沢山です。メダル確実とされたのに取れなかったり、まったく予想もしないのに取れたり、正に神のみぞ知るメダルの行方でしょうか。しかしメダルを取れた選手も逃した選手もこの時に合わせて苦しい練習を重ねてきたのは同じです。「メダリスト」の称号はすごいですが「オリンピアン」もすごい事です。

 「メダルを取る」と言いますが置いてあるものを取るような話ではなく苦労の末の一筋の光明でしょう。農業も苦労に苦労を重ねたほど収穫の喜びも一塩です。7月号でもお知らせしましたが今年の稲は田植え後の悪天候により散々なことになり米が出来るかなと心配しましたが雨の日も風の日も炎天下の日も毎日田んぼに入り、例年の数倍の草との格闘で何とか穂が出てきました。オリンピックでは苦労の末にメダルという希望が有りますが、今年、田植え後に躓いた我が家の田んぼには豊作と言うメダルはありません。メダルを逃した選手が「なんであの時」と後悔するように私も後悔の毎日です。しかし考えてみると、不作を天候のせいにすること自体まだ未熟ですね。労せずに草を無くそうと言う欲がもたらした結果であり、因果応報なのです。気象変動の時代、来年もこんなことがあるかもしれないので高い授業料を払ったつもりであと一月、稲刈りまで頑張ります。

 オリンピアンにとって食事は練習と同じほど重要な物でしょう。毎日草との格闘をしている私に欠かせない物はもちろん我が家の有機米7分搗きごはん。加えて我が家で栽培している無農薬、無化学肥料、もちろん欧米では規制が厳しいネオニコ農薬など一切使わない有機トマトと自家製玉ねぎスライスのりんご酢とココナツオイル和え。阿蘇地方で漬物と言ったら阿蘇高菜の塩漬けですが、テレビで糠漬けの事をやっていました。我が家には有機の米ぬかは沢山あるのに田んぼの肥料。なになに、腸内細菌が健康に大きく関わっている?免疫力?良いじゃないか!!と言う事でネットで調べて米ぬか、水、塩、昆布、鰹節、鷹の爪、シイタケ等を混ぜ、我が家の菜園の野菜を漬けて毎日楽しんでいます。最近は糠女が流行だそうですが我が家では私が「糠ジイ」です。冷蔵庫で管理するので簡単ですが夏野菜は水分が多いので塩を時々足してやります。この日はニガウリ、ナス、キューリですが、ピーマン、アスパラ、ニンジン、セロリ、ミョウガ、厚揚げ、チーズ何でも漬けます。お陰で毎朝決まった時間にスッキリ、体調良好。農作業に頑張れます。農家は体が資本。炎天下の中での作業で汗びっしょりになりますが程よい酸味や塩味は食欲も増し、夏バテ予防になります。
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