皆さん今日は。
今年の夏は猛暑続きで大変な夏でしたが阿蘇では朝夕は秋の風が吹いて過ごしやすくなりました。
皆さんの所は如何ですか。



我が家の田んぼも猛暑や長雨、ゲリラ豪雨を乗り切って実りの秋を迎えることが出来ました。周りの田んぼは今が稲刈りの真っ盛りですが我が家の田んぼは味の良い米を目指して、秋風が吹いて涼しくなるころに実が熟するように田植えを遅らせています。今月25日頃から稲刈りを予定しています。



9月8日、来年春の「野焼き」の準備作業の「輪地(防火帯)切り」が行われました。阿蘇地域は今年、国連から「世界農業遺産」に指定され、また国から「草原特区」に指定されることになりました。阿蘇には現在2万2千ヘクタールの原野があるそうですがそれは地元の住民が千年の昔から毎年原野に火を放ち枯草を焼き払い、森林化を防いできた結果今の草原が出来上がったと言われています。
以前はどの農家にも「肥後の赤牛」が数頭いてその餌として原野の草が利用されていました。今はトマトやイチゴのハウスの土つくりの為に利用されています。今も昔も阿蘇の農業にとって原野はなくてはならないものなのです。その原野の維持のための野焼きですが安全に行うためには今の時期から防火帯の草を切って準備をしなければなりません。早朝より牧野組合全員集合、手分けしてそれぞれ刈払い機で草を刈っていきます。毎年の事なので誰が指揮をするでもなく幅8mほどの1本の帯が出来上がっていきます。刈った草が枯れた頃焼けば防火帯の出来上がりです。
来春、各市町村、牧野組合協議のうえ野焼きが実施されますが50年以前、時代がのんびりしていた頃。輪地も作らず、よそとも連絡をとらず、牧野組合全員ではなく役員だけで天気が続いて良く焼けそうな日の夕方、山の下から火を点けて後は火が行きたい方に行くだろうと言う事で火に任せて人間は帰っていたそうです。今では考えられないことですが昔は原野の中には建物も山林もまた車が通る大きな走路もなく、そういう状況だからこそ何百年も野焼きが続いてきたのだと思います。



今は人手不足、高齢化で野焼きを行うことが難しい時代になりましたが今回指定の特区の名称が「千年の草原の継承と創造的活用総合特区」ですので地元農家としてこれまで通り原野を守り活用する姿勢を通して行きたいと思っています。


写真  文  山本誠也