皆さん今日は。長かった梅雨が明けたら大変な猛暑で体がついていけませんね。7月13日から18日までアメリカ西海岸、ワシントン州シアトル周辺を旅しました。

昭和30年代食糧増産の時代、アメリカの先進農業を日本青年に学ばせるためのプロジェクトが日米両国の政府間の合意の下、起ち上げられ5千人を超す青年がアメリカで研修を積みました。その50周年の式典が開催されたのに合わせて阿蘇の研修生OB上野さんが渡米されるのに私も同行しました。

私にとって初めてのアメリカはテレビで見るのと大違い、すべてスケールが大きくて新鮮でした。現地では研修生OBでアメリカ在住、モーゼスレークの西田さんのお宅に2泊お邪魔して近郊の農場やワシントン州の農業の生命線であるグランドクーリーダム等を見せて頂きました。

ワシントン州は西海岸の最北に有り緯度は高いのですが空気が澄んで湿度が低く肌はサラサラですが紫外線が強く半袖で過ごしましたので腕は紫外線アレルギーを起こしました。この乾燥で大地はカラカラに乾いて人工的に水をかけている所だけは緑色ですが水をかけないところはトラクターの写真のように枯草色です。そこで農業用水を確保するためにコロンビア川に長さ1600m、高さ170m、世界最大のコンクリート構造物と言われるグランドクーリーダムを1940年代に完成させその圧倒的なダム湖の水を発電と30万haの農地の灌漑に使っています。ダムから送られてきた水はイリゲーションと呼ばれる灌漑施設により畑に散水されていきます。

この施設の構造はこのユニットが長いものでは400m位に連なり時計の針のように畑を円形に散水していきます。大地が広いので円形の外の水がかからない所はほとんど利用されていません。小麦の収穫中のこの農場、円形の畑の広さは50ha、コンバインは遥か向うの土煙の所です。収穫された小麦は待機しているトレーラーに積み込まれ港に直行、行先はアジアだそうです。

しかしこの大地を潤す水の料金は1000㎜の降水に換算すると1ha当たり2万円。日本では年間2000㎜の雨がタダで降りますのでこの点だけは日本の農業に優位性があるようです。


 今回は手作りの旅で、移動手段は自分たちで借りたレンタカーを自分たちで運転するというシンプルですがエキサイティングな旅でした。目的地はモーゼスレークでしたがそこに行く過程で大きく迂回して、マウントレニエ国立公園に立ち寄りました。

マウントレニエは日本人社会では「タコマ富士」と呼ばれる形の良い4000m級の山で、山頂には氷河が有り双眼鏡でずっと見ていると崩落が見られるそうです。カスケード山脈の最高峰のこの山への登山道を走ると太平洋からの湿った風がこの山脈に当たり雨を降らせ、山脈を越えるときには乾いた風になって吹き抜けていくんだなと言う事が植物を見ると推測できます。
シアトルからのフリーウェーを抜け公園の有料道路に入るころにはあたりの木々はうっそうとして日本の神社に昔は有った御神木と呼ばれていたような針葉樹の巨木ばかりです。車を走らせ標高が高くなってくると樹木の高さはだんだん低くなり見晴らしのいい展望所に車を止めると息を飲むような絶景です。日本の峡谷の谷はV字型ですがここの谷は大きなU字型で解放感が有ります。太古の氷河の名残でしょう。
もっと走らせていくとそこは峠、車を駐車場に止め遊歩道を行くと周りは高山植物のお花畑でした。ここから山頂を望むと氷河が雲の間から見る事ができました。崩落するまで見ている時間がなかったのが残念でした。下りは景色が違います。雨が少ないのでしょう木々が大きくありません。そして緑もなくなってきました。土地の起伏もなくなって「ああ大陸だな」と言う景色になってきました。
着いたのは「ヤキマ」。ここで1泊、次の日にモーゼスレークに到着しました。この行程、栃木の旅慣れている初対面の鈴木さんの「付いてくるなら一緒に来てもいいよ」の言葉に甘えて初のアメリカで初の左ハンドル、対面交通の登山道を75マイル/時(120㎞/時)でしたので周りの景色を見ている余裕は全くなかったのですが非常にいい経験になりました。

モーゼスレークからシアトルまでは鈴木さんの車と別れて上野さんと2人、カーナビを頼りに何とか到着できました。
 シアトルと言えばマリナーズの「セーフィコフィールド」です。チームは対外試合で不在でしたが代わりに球場内見学ツアーに参加し内部をじっくりと案内していただきました。

グランドはもちろんロッカールーム、イチローが在籍中に使っていたロッカー、 選手の食堂、クラブ、記者会見場、報道席、オーナー席、その他 グランドは特に選手たちが最高のプレーを出来るように芝の管理にはかなり神経を使っている様子が伺えました。私たちが見ている間もグランドのあちこちに設置されているスプリンクラーで散水が行われていましたし、刈込も勿論綺麗にされていました。
 この旅ではキングサイズのステーキ、ピザ、シーフード、KFC、ホットドッグ等アメリカの食文化にも触れてきました。どれも絶品でした。


 最後に今回は広いアメリカのほんの一部を訪ねただけでこの国を評することはできないのですが印象としては豊かな国、ゆとりが有る国だなと感じました。また訪ねたい国です。  

 文   山本誠也