農園だよりDiary

2018年6

2018.06.08
 皆さん今日は。

 今年は天候の進みが早いようですね。九州、阿蘇では例年6月10日頃に梅雨入りなのですが、今年は5月28日に梅雨入りしました。まだ気温が低いので冷たい雨が降り、外の作業は億劫です。5月は田植えのシーズンです。今までカラカラだった田んぼに水が溜められ、「代掻き」がされると景色は一変します。早朝、澄み切った空気の中で田んぼは水鏡となり、阿蘇山を映し出します。この時期だけの特別な風景です。

 この水鏡の中に、我が家では5月19から20日、田植えをしました。この日に合わせて周りの草を切り、水を溜めトラクターで水と土を混ぜ合わせてトロトロ状にして、前年の稲わらや草を土中に沈めて、植え付けられた稲の苗がスムーズに根を張れるようにするのが「代掻き」です。「ご破算で願いましては」の言葉のように全てをリセットして出来たのが水鏡です。気持ちのいい作業ですよ。

 植え付けられた苗は日に日に元気になり、葉がたくましく成長していきます。毎日の田んぼの巡回が楽しみです。それと共に雑草も芽を出し稲の苗を追い越す勢いで葉を伸ばしていきます。合鴨農家はそれを見逃すわけには行きません。苗がある程度しっかりし、しかし雑草はまだヒョロヒョロの時に田んぼに合鴨のヒナが放せる様に手配して彼らは5月16日にやって来ました。孵化したての彼らはとても愛らしいのですが脆弱で、体を冷やすと死んでしまいます。とても気を使います。なのでヒナの世話は家内にお願いしています。お蔭でヒナはスクスク成長し、6月3日、田んぼに放しました。

 成長したとは言えまだ生まれて20日。それでも自然界の田んぼで生活させなければならないので心配です。しかしヒナも持って生まれた本能があり、水から上がるとすぐ羽繕いを始めます。お尻にある油腺から出る油をくちばしで取り、体中の羽毛に塗り付けて撥水加工し、見ているうちにフカフカの羽毛に仕上げてしまいました。冷たい雨の日にはみんなで体を寄せ合って体温を保ち寒さを凌いでいます。感動します。

 今年もこんなカモ達と一緒の我が家の米作りがスタートしました。思い通りに行かないのが農業の難しさですが、何とか乗り越えながら今年も皆様方によい合鴨米をお届けできるよう頑張ります。
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