農園だよりDiary

2020年4

2020.04.03
 皆さん今日は。

 暖冬と言われながらも寒かった冬が過ぎ、日差しが眩い春がやって来ました。阿蘇ではここ数日ずっと天気がすぐれず、桜の花も満開寸前で停滞していましたが、先日の好天で一気に開花が進んだようです。阿蘇神社の桜も例年以上に見事な咲きっぷりを見せてくれています。4年前の平成28年4月16日に起きた「熊本地震」では国重要文化財の楼門をはじめ多くの神社の建物が倒壊しました。しかし多くの皆様のご協力で復興が進んでいます。先日久しぶりの阿蘇神社では楼門再建の囲いの構造物が建設中で、シンボルの楼門がその姿を見せてくれるのも間近になりました。阿蘇の住民としてはこれが心の復興です。また日頃から神社には多くの皆様に訪れて頂いています。特に桜のこの時期には門前の中町通りまで続く見事な桜並木目当ての方がいっぱいです。

 ところが今年はコロナヴィルスの影響でちょっと事情が違うようです。例年なら写真撮影の時、人通りが少ない僅かなチャンスを待って撮るのですが今年は殆ど人通りがないのでマイペースで撮れます。しかし人がいない写真は逆に寂しいですね。例年なら書き入れ時の商店街も閑散としていましたが、やはり健康が一番です。私もなるべく人ごみや、大好きなお酒の席には行かないように気を付けています。ヴィルスとの戦いが人類の歴史ですから皆が抗体を持つまでの辛抱です。しかしゆっくりと持ちたいものです。

 3月21日、野焼きが行われました。3月初めから4回延期、5度目の正直。前日の強風により草原はカラカラ。晴天、西より微風。絶好の野焼き日和になりました。午前10時。各地区申し合わせ通り火入れ。火の回りが早く、例年にないスピードで作業が進みました。午後から大観峰一帯の野焼きです。隣接組合と協議し、12時半に火入れしました。気温も上がり、風も出て炎がまた風をお越し火は凄まじい勢いでのた打ち回り轟音と熱風を放ちながら風下へと広がって行きます。毎年感動します。このスケールと迫力をどう表現していいのか言葉が見つかりません。ここは観光地、例年カメラマン、俳句のグループ、観光客、沢山の人が来ます。よそからわざわざ見に来る人の気持ちが良く分かります。そして今年は3連休の中日、コロナの影響で街中は敬遠され、開放的な大自然を求めて例年以上の人出が有りました。地元組合でも危険個所に規制線を張り、危険告知看板を立て危険防止を図っていますが草地に駐車中の車が焼ける事故までありました。地元組合員は火の怖さを知っていますから、先ずそれぞれ自分の身は自分で守るのが最優先です。コロナもそうですが自然の脅威に向うときは自己防衛が基本ですね。                                                 
 「阿蘇たかな漬け」のシーズンです。3月になると高菜も春を感じて茎が伸びてきます。その茎を手で折って茎と葉を一緒に塩漬けにします。阿蘇たかなは阿蘇の在来種で茎が丸く細くピリッとした味で、本漬けと浅着けが有ります。青物が無かった冬を過ぎ、春を感じさせる野菜です。クジラ肉が有った時代には白身の肉と一緒に炒めるのが春一番の御馳走でした。去年の秋から根を張り滋養をたっぷりと蓄えた高菜を食べて体力と抵抗力をつけ、コロナに負けずいよいよ始まる米つくりのシーズンに備えます。皆さんもお体ご自愛ください。
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