農園だよりDiary

2020年7

2020.07.06
 皆さんこんにちは。

 毎日梅雨空が続きますね。阿蘇では6月10日頃に梅雨空になり、やがて1か月鬱陶しい毎日です。写真は6月28日朝、久しぶりの好天の下の阿蘇山の姿ですが、阿蘇山のこんなにすっきりとした姿は何か月ぶりでしょうか。阿蘇山は昨年から活動が活発化していて、毎日灰色の火山灰を噴き上げ、その日の風向きにより麓住民を悩ませてきました。最近、ちょっと火山灰が少なくなったかなと感じる日も多くなり、活動が治まって来ているのではと期待しています。連日の雨で山に降った火山灰も落ち着き、空気も綺麗になり、こんなに爽やかな阿蘇山を眺める事が出来ました。梅雨の雨は稲の成長ともマッチしていて、この雨が無いと稲が最も必要としているこの時期にすべての田んぼに水を行き渡らせることはできないでしょう。また田んぼは「ダム」なので、この時期のまとまった降雨を受け止める働きをしています。田んぼは畔で仕切られていますから10cmの水位が上がることはしょっちゅうなのです。降水量100㎜の水は一時的に受け止められ、時間をかけて排水口から放流するので日本の自然に適した社会インフラですね。

 ところが先日、熊本県南部地域で「線上降水帯」による記録的は大雨で大水害が発生しました。まだ被害の全容は分かっていないようですが被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。この地域に住む知人にお見舞いの電話を掛けた所、「こんな大雨は初めて」だったそうです。平成24年、阿蘇の水害でも「生まれて初めて」の大雨を経験し線上降水帯と言う言葉を知りました。ここ数年全国各地で発生している災害では必ず耳にする単語になりました。以前の大雨は堤防、ダム、田んぼ等の社会インフラで何とか被害を食い止めていたものが最近の苛烈な気象現象には対応できなくなってきているのでしょうか。最近のレーダー等の観測機器の発達で雨雲の様子が分かるようになり、テレビの気象予報を見ると怖くなりますね。

合鴨君たち大活躍

 先月号でも紹介しましたが合鴨君たちは毎日田んぼの隅から隅まで突っつき、泳ぎ回って土を掻き混ぜ、雑草が芽を出す隙を与えません。何を食べているのか不思議ですが「ミジンコ」や土の中に住んでいる「イトミミズ」を食べているようです。ミジンコやイトミミズは土の中の稲わら等の有機物を食べ、それを合鴨が食べ、そして糞をするとそれがまたミジンコ、イトミミズの餌になると言う循環の中で合鴨は成長し、ますます土を耕してくれる夢のような米つくりですね。ただ一つの欠点は「ヒエ」です。ヒエは稲によく似た姿をしていて、田植えと同時に芽を出し、稲と一緒に育ち合鴨が田んぼに来るまでに成長してしまったヒエには合鴨は無力なのです。しかしヒエにも弱点があります。いくら稲に姿を似せても姿が稲とは微妙に違うのでベテラン百姓の目はごまかせません。と言う事でヒエ対策は私が田んぼに入ってすべての列を歩いて目で見つけ、1本ずつ手で抜くのが一番の近道と言う事です。朝早く健康の為、農道をウォーキングする人が沢山います。私も毎日ウオーキングしています。田んぼの中を。人が歩いた後には道が出来ますが、私が歩いた後には地中のイトミミズ等の餌が表面に出て、合鴨が群れを成してついて来て仕事をし、稲が良く育ちます。そんな素晴らしい農業にも弱点がありました。最近田んぼの中で合鴨達が襲われ全滅の田んぼが続出。犯人は野犬、飼犬の放し飼い、キツネ?真相は闇ですが毎日被害が発生するので合鴨達は田んぼから上げて安全な所に避難させました。思うように行かないのが「この世」でしょうかね。
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