農園だよりDiary

2020年11

2020.11.06
 皆さん、こんにちわ。

 10月下旬には我が家でも炬燵が入りましたが11月になり阿蘇では特に朝夕、秋の深まりを感じるようになりました。昼間は暖かいので今年の初霜は遅いのかなと思っていたら、やはり時期が来ると降りるもので、11月4日に降りました。それでも以前は10月下旬には降りていたので気候が暖かくなっているのは確かです。

 我が家の菜園の隅の柿の木。去年は沢山の実を付けましたが、今年は数えるくらいしか実が成りませんでした。数少ない柿の実なのでしっかり熟して甘くなって収穫しようと思っていたら、いつの間にか実が少なくなっていて、気を付けて見ていると野鳥が群れでやって来て突いていました。これは大変!籠を持って行って採ろうとしたら、どれも鳥が突いて食べられる物はありません。やっと2個、籠の底の片隅に入れて帰りました。早速夕食のデザートに食べましたが、鳥が群がっていただけあって甘く上出来でした。実が沢山なった年は栄養が分散されますが、今年は少なかった分、集中して栄養が供給され大きくて甘いのが出来たのでしょう。実のなる木は「表年」と「裏年」があり、隔年で豊凶が分かれます。今年、本州は熊による被害が多いと聞きますが、やはり熊の餌の「どんぐり」が不作で、食べ物を求めて山を下りてくるのだそうですね。そういえば阿蘇地方ではどこの柿の木も不作で、我が家の柿に群がった鳥たちも餌不足でお腹を空かしていたのでしょう。沢山なった年は、小学生の通学路なのに誰からも全然見向きもされず、熟して落ちていました。今年は野鳥のお腹を満たすことが出来て無駄には成らずに済んだので良としておきましょう。

 柿は野鳥に食べられてしまいましたが里芋は豊作でした。里芋は熱帯性の作物なので、今年の様な暑い夏は向いているのでしょう。地上の見えている部分は小さく、貧弱でしたが掘ってみると親芋の周りに子芋が付き、その子芋の周りには孫芋が沢山付き、大きな塊になっていました。まるで昔の大家族の様です。昔は3世代、子沢山で10人家族も珍しくありませんでした。冬は隙間風が吹き込む部屋の小さな炬燵に肩を寄せ合って暖を取りました。そこで食べる里芋の入った郷土料理「だご汁」は体が温まり私の大好物でした。今は農家でも親子別世帯、スペースは沢山あるのに人数が少ないので、今流行のソーシャルディスタンスはとれています。隙間風は入らないので距離をとっても寒くありません。背中は寒いけれどお腹は暖かい昔が懐かしいものです。隙間風のない部屋で美味しいものを食べる事が普通になりましたが、贅沢な食材ではないけれど体の芯までは勿論、心まで温まる料理が最高の御馳走なのでしょう。

 毎年12月、定期ご購入の皆様には弊社生産者の畑で栽培した野菜をお届けしています。皆様から1年間、安定してご購入頂くことは生産者にとっては安心して生産できる基本です。お陰様で安心して農業経営が行えることのお礼としてお届けさせて頂いています。我が家でも害虫の活動が治まった9月下旬、白菜苗の植え付け、聖護院大根、カブの種まきを行いました。虫の被害もなく順調に育っています。他の生産者がネギ、里芋、大根を栽培していますがそれぞれ順調に育っているようです。勿論有機栽培です。
12月にお届けの予定です。
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