皆さんこんにちは。
列島各地では台風と秋雨前線の活動による線状降水帯の大雨で大変な災害が起きています。被災された皆様には心より御見舞い申し上げます。
先月の農園だよりでも書きましたが阿蘇では梅雨明け以降、連日の晴天続きでお湿り程度の夕立が10日ほど前に1回来たきりでした。阿蘇はカルデラのふちになる外輪山から湧き出る地下水が豊富でその水を集めて流れる川の水を田んぼに引き入れていますので十分ではありませんが水はあります。例年夏の時期はたびたび夕立があり、田んぼの水管理の助けになっていました。今年はみんなで少ない水を分け合い、一日おきの水かけでした。籾も熟れ、田んぼに水があると稲刈りがやりにくいので、もう水は要らなくなりました。秋雨前線が過ぎ天候が回復したら稲刈りを始めたいのですが、なかなか晴れそうにありません。思うようにいかないものです。
米作りは水管理と草取りです。特に草取りは田植えしたらすぐに始まり、稲刈り直前まで続きます。何度も田んぼに入り、もう取りつくしたと安心していると写真のように稗が伸びあがっています。稗も子孫を残すことが使命なので取りつくして、もうないと思っても爪楊枝くらいの細い茎を稲の株に寄りかからせ太陽光を求めて稲よりちょっと高い位置まで伸ばし穂を稔らせます。稲の列に入り歩かないと見逃してしまうほどの小さな穂が稔り、種を落とすとこの種が来年の厄介者になります。毎年稗が多いところは決まっていて気を付けていても生えてきます。取らないと手に負えなくなるので毎年何回も取りますが、手で取れるレベルなら問題ありません。
1年は早いもので、もう新米が出回る時期になりました。昨年は米不足で連日テレビから米の話題が流れていましたが今年は静かなものです。あんなに国中が米を求めて騒動したのに最近のある世論調査では「日本に農業は要らない」と答えた人が57%なのだそうです。多くの国民が日本の米を要らないと考えているのに米騒動が起きるのは不思議なことです。十分にあると分かっているといつでも買える安心感につながるのでしょうか。農業は要らないと答えるのにキャベツ不足騒動、野菜高騰騒動が時々テレビで流れるのは何でしょうか。人は喉元を過ぎると熱かったのを忘れるものです。しかし農家は忘れません。平成5年の米騒動の翌年の米暴落。そして30年間、毎年価格が下がり続けた事を。阿蘇でも今年、高齢農家の方たちが今年も高く売れる期待を持って米作りをしました。あぜ道話は「今年はいくらじゃろか」でした。ところが各地の米どころの価格が報道されると「今年で終わり」。来年は全国の高齢農家の離農が加速します。また、4月には消費税減税が行われ作るほど赤字と言われる中、更なる減収です。「国内農業に期待しない人は品薄の時には行列に並ばないでください」という時が来るのはもうすぐです。
国は国民が飢えないようにするのが務めです。そして国民から集めた税金で農業政策を行っていますが国民の57%が国内農業は要らないと考えているなかで野放図に農業予算は組めないと考えているようです。万が一の時に国民の食糧が途切れる事がないように「食糧安全保障」と言われます。日本国民はすべて健康保険に加入し、いつでも傷病の治療受けることができます。同じように自分たちの払った税金の一部が農業予算に振り向けられ国内農業の維持のために政策が行われ、万が一の時にも最低限度の食糧を手にすることができるでしょう。そのための保険です。食料自給率37%しかない中で100%自給できるのは米だけです。
弊社のお米ご利用のお客様には、化学物質過敏症、アトピーなどいろんな事情を抱えてご注文されるご家庭もございます。弊社生産者は食の安全、また確実に定量を定期にお届けすることを踏まえて、生産に努めます。
いよいよ稲刈りも始まります。