農園だよりDiary

2009年1

2009.01.30
 明けましておめでとうございます。皆様にはすばらしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。あそ有機農園でも皆様のご期待に応えられますよう気持ちを新たに頑張ってまいります。

 昨年も食品の産地偽装、工業用米の食用転用、薬品混入などなど「食」の信頼を裏切る行為が明るみになりました。また輸入穀物の燃料化、投機目的の高騰の中で、「日本の食料自給率が39%しかありません。これは大変なことですよ」と改めて認識された年でもありました。そうした状況の中で阿蘇の農家を見渡すと団塊の世代以上の人が約8割を占めています。これは全国に共通したことだろうと思います。10年後、農家は激減します。他の産業では競争相手の減少は自分にとって有利ですが農業の場合水路、農道の維持管理、米麦栽培に労力が取られてトマト、イチゴなどの手間のかかる作物の生産農家が減少して生産部会、選果場の維持ができないなどの問題が出てきます。

 これまで自由主義経済の中で「国際市場の中での日本の農産物」と言う視点で論じられてきました。地価や労賃や物価の高い所で生産された日本農産物とそれらの安い外国農産物を比較すること自体に無理があったのです。工業製品輸出の見返りとしての農産物輸入の規制緩和、その結果が営利に走る業者による食品の偽装であり、輸入農産物との競争に敗れ農業では生活が成り立たなくなった日本の農家の現状が農業後継者問題なのです。農業問題を語るとき農家、農村に対する農業予算が論議され、日本の農家救済に話がすりかえられます。農業問題は実は農村問題ではなくて日本国民の食糧確保の話なのです。そのことを皆さんにご理解頂きたいと思いまして新年早々硬い話を書きました。

 阿蘇では新年早々積雪が何日もあります。昼間も氷が解けないような本当に冬らしい日が連日続いています。そんな中で我家の中国からの農業研修生「万春紅」が成人を迎え、阿蘇市の成人式に参加しました。中国では18歳で「成人」となるそうでし、また「数え年」ですので本人的には21歳なのです。しかしせっかく日本に来たのですから日本文化の体験も良いのではないかなと言う事で妻が準備をしました。寒空の中、明るい笑顔をふりまいて周りの人を新春らしい明るい気持ちにしてくれました。本人も大変喜んでくれました。
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