皆さん、こんにちは。
今月号は12月2日から9日にかけてネパールを旅したことについてお話します。ネパールはアジアの中で最も貧しい国と言われ、つい最近まで政治的混乱、そして2015年にはネパール地震に見舞われ民衆の暮らしは困窮しています。特に女性の地位は低く、それを向上させる活動を行っているNGO「MANUSHI」に対して、あそ有機農園の合鴨米をお取引頂いている「オイシックス.ラ.大地」が参加する「アジア民衆基金」から融資が行われてきました。
今回はその運営状況と、ネパールではまだ栽培が少ない「イチゴ栽培プロジェクト」の視察と言う事で参加することにしました。大地を守る会の藤田会長と職員4名、APF職員1名と私の総勢7名です。
2日、17:30成田発、22:30(タイ時間)バンコク到着。時差2時間ですから7時間のフライトでした。ここで1泊。3日、10:30バンコク発、12:45(ネパール時間)カトマンズ着。さらに時差1時間15分なので3時間のフライト。やっと着いたカトマンズは喧噪と埃と交通渋滞の街でした。上空から見たヒマラヤの峰々はあんなに神々しく澄みわたって見えたのに、350万人の住むこの町は内陸の気象条件のせいなのでしょうか、あるいは車や人が動き回って土埃を巻き上げるせいなのでしょうか1日中霞んでいます。道路には交通信号機がなく、要所に警察官がマスクをして立ち交通整理をしています。しかし車や人、バイクはそんなもの関係ないと言わんばかりに好き勝手に動いています。よく事故が起きないものだと感心させられるのですが、日本と同じ左側走行のなかで、右折の車がいたら通してあげると言うようなルールが有るのかないのか、とにかく運転手は無理やり反対車線に突っ込んでクラクションで自己主張をします。それに対して周りの車も「何を言ってるんだ。ばかやろう」と言わんばかりにクラクションの応酬が始まります。しかし彼はそんなのお構いなしで相手の隙をついて強引に右折してしまいました。素晴らしいテクニックに感心してしまいました。
4日朝、そんな喧噪のカトマンズを出発、砂利道の山岳道路を走る事2時間。イチゴ栽培プロジェクトが進められているカカニと言う地区に到着。そこは山の斜面に広がる段々畑でした。イチゴのハウスをイメージしていましたがそんなものは有りません。露地栽培です。プロジェクトに参加している若そうな人から中年まで20人位の女性たちが出迎えてくれました。このNGOから1人5万円位の融資を受け、イチゴ栽培に必要な資材を購入し、生活の向上を目指しているという説明が有りました。畑に足を踏み入れると、もう赤く色づいた実も見えますが日本のイチゴ農家からすると施設については仕方がないとしても、栽培技術は改善の余地だらけ。私がイチゴ農家だと聞いたNGO職員からは「山本さん是非指導に来てください」と懇願され「条件が整えばまた来ます」と言ってしまいました。忙しい毎日の中で可能かなと心が揺れました。
そんなこんなのネパール滞在5日間。「マナステ」(こんにちは)と手を合わせて挨拶すると、みんな笑顔で返してくれます。精神的豊かさを持った人たちの国、ネパールでした。