農園だよりDiary

2019年7

2019.07.09
 皆さん、こんにちは。

 7月に入り、九州地方は記録的な大雨に見舞われました。全国の皆様からは、お見舞いのお電話を頂きましてありがとうございました。特に雨量の多かったのは九州南部でしたが、ここ数年繰り返されたような甚大な被害はなくひと安心と言う所です。阿蘇でも警戒レベル3が出され、平成24年7月12日に起きた大水害を教訓に土砂災害が激しかった地域の人を中心に自主的に避難されたようです。幸い阿蘇では思ったほど雨量が多くなく何事も無く避難情報も解除されました。その後は梅雨とは思えない好天が続いていて、田んぼの稲も適度な雨と太陽の光で順調に生育しています。

 6月29日、NHKの「ブラタモリ」で阿蘇が「お役立ち火山」として紹介されました。御覧頂いた方も有るかと思いますが地元の人でも知らない事が盛りだくさん有り良い番組でした。その中で阿蘇山を取り囲む外輪山の原野がこれまでは「千年の原野」と言われていたのが熊大教授によると実は1万5千年前から原野として存在していたそうです。その原野の草を利用して阿蘇の農地が豊かになった場面に地元の農家として私が少し出させて頂きました。ロケは5月15日に行われましたが、事前にディレクターが綿密に調査し台本を書き、数日前に現地でリハーサルを一回通して当日本番でした。タモリさんも林田アナも事前情報を知らされずの本番です。私が説明する事に対していろいろ質問が返ってきますが、さすがタモリさんは知識が豊富で質問の内容が的確なのでびっくりしました。やり直しなし、一発勝負の収録。会話の中のテーマに沿った面白い所を編集して番組になっていました。日頃、人の目線のない所で黙々と働いているこの身にとって、全国に放送されるであろうカメラの前に立つのは大変な緊張でしたが、始まってみると会話が面白くて楽しい収録でした。7月末頃再放送が有るそうです。御覧なれなかった方は是非ご覧ください。

 6月30日、「種子法廃止・種苗法の運用で私たちの食料と食の安全はどうなるのか」と言うテーマで、元農林水産大臣 山田正彦さんをお招きして講演会をJA阿蘇会議室で開きました。この問題については生協や、意識の高い消費者の間では重要視されてきましたが農家、農業団体では注目されて来ませんでした。現在、国内農産物は海外の物より高く取引されています。それは「国内産は安心」と言う消費者の信頼が有るからだろうと思います。ところが国内種子業界が資金力のある海外企業に奪われ、国内流通の種子が遺伝子組み換えやゲノム編集の物に席巻されてしまうと「国内産は安全」と言う信頼はなくなってしまい、消費者に見放された国内農業は崩壊してしまいます。そこで今回の講演会はJA阿蘇組合長と相談してJA主催、JA以外の人にも参加してもらえるよう「種子を守る阿蘇の会」を立ち上げ共催としました。とかくJAはこれまで、生産者の立場ばかりを強調してきたイメージが有りますが、今回は生産者と消費者が同じ会場に集い一つのテーマについて勉強した画期的な会だったと思っています。市町村議会議員にも参加して頂き、9月議会に対して「熊本県種子、種苗法」制定の請願書提出も宣言しました。この運動が全県、全国に広がることを願っています。
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