農園だよりDiary

2021年7

2021.07.05
 皆さんこんにちは。

 この時期、夏の空気と冬の空気のせめぎ合いの下で天気予報を見、空を眺め過ごす日が続いています。近年は気象レーダーの発達で雨雲の状態が確認できるようになり「線状降水帯」と言う言葉も良く聞くようになりました。昨年の熊本県人吉球磨地方でも長時間にわたり豪雨が続き災害が発生しました。阿蘇ではこの梅雨期、あまり雨が降らないので災害の事は脳裏に無かったのですが先日、静岡県の土石流災害をテレビで見て恐怖を感じました。日常の営みを過ごしているところに突然あんなものが襲ってきたら成す術はないでしょう。被災された方々にお見舞い申し上げます。

 先月号でも述べましたが阿蘇では5月15日から梅雨入りとなり、10日間、連日大雨強風に見舞われました。我が家では14日に田植えが終わりほっと一息。田んぼに網を張り、鴨のヒナを放す準備に取り掛かりました。5月は皐月晴れの言葉の通り晴天が続いて仕事がはかどり、また田んぼに植え付けられた苗はすくすく育つのですが、今年は強風で網張もひと苦労。稲の苗は日照不足で柔らかいのに大雨強風により吹き寄せられた田んぼの泥水に煽られ見る影もありません。この状態ではヒナを放す事も出来ず、今年の稲はどうなるのか。真夜中にふと目が覚める日が続きました。取あえず苗は無いので植え替えは出来ず、何とか弱った苗を生き返らせることしか方策が有りません。いったん田んぼの水を抜き、土を乾かして新葉が出るのを待つことにしました。待つ時間は長いですね。しかしもう駄目かもと思った苗から糸の様な細い新葉が顔を出し、日に日に伸び出し太くなり、さらにそれを土台に次の新葉が出て太くなり、稲の生命力に驚かされて2週間。やっと水を浅く張り、ヒナを少し放し、慣らしをしながら予定の羽数を放すことが出来ました。しかし合鴨農法は雑草が育つ前、稲とヒナのバランスを見て放すのがポイントなのに、適期から2週間遅れでのヒナの登場と言う事で田んぼ一面雑草なのです。その上、土を乾かして固い新葉を作ったのは良かったのですが土が固く締まり、除草機の爪も跳ね返され4回通ってやっと土が柔らかくなり草を踏み込んで除草できました。ヒナを放してから毎日除草機を押し、今も毎日、除草機では取れない株と株の間の草を手で取っています。土が固く、根も張って引き抜くのが大変ですが草との戦いです。

 本来なら今の時期は稲の株が大きくなり隣と接して水面が見えない状態なのですが今年は2週間の停滞期が有り茎の数が少なく収量は少ないでしょう。それでも皆様のご期待に沿えるよう、少しでも多くの収穫を目標に努力しています。
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