皆さんこんにちは。
阿蘇では、ついこの間まで半袖で良かったのが急に冷え込んでジャンパーを羽織らなくてはいけないようになりました。夏から秋を飛び越して一気に冬になった感じです。先月20日、阿蘇のシンボル、阿蘇山が何の前触れもなく噴火しました。全国ニュースでも報道され、沢山の皆様からお見舞いのお電話を頂きました。有難うございました。噴火とそれに伴う火山灰噴出はその時だけでした。音もなく黒い噴煙を噴き上げ、吹き上がった噴煙から噴出物が火口の周りに飛び散り、火砕流になって広がるのが見えました。大きな岩石は火口近くに落ち、軽い物は風に乗って風下に流され、報道では東方のキュベツ産地、波野地区で火山灰が降りキャベツに被害が出たようです。阿蘇生まれ、阿蘇育ちの私、こんな形の噴火は初めて見ましたが噴火による大きな被害が無かったのがなによりでした。阿蘇山は10万年前までは大きな火山群だったのが大噴火による噴出で地下が空洞になり陥没し、今の地形が出来たと言われています。その時の火砕流は四国、中国地方にまで及び、伊方原発運転停止の要因の一つにもなりました。大陥没した所には長い年月をかけ水が溜まり、そして長い年月の中で5年前の熊本地震の様な活断層のずれで水が排出され今の阿蘇が出来上がったとされています。外輪山の上に遺跡があることから、人はまだ阿蘇が湖だったころから住んでいたようです。水位が下がるにつれ生活場所も下がり、現在のあたりになったのでしょう。しかし噴火による危険性がある場所に人が住んだ形跡はなく、今も火口から相当広い範囲に人は住んでいません。最近では御嶽山の事故の記憶が有りますが、阿蘇での登山は火口から離れた「高岳」がメイン。火口のある「中岳」は気象庁や大学の観測機器により、少しでも変化があると立ち入り規制が敷かれ近寄れないようになっています。今回の噴火はとても稀で、大地のくしゃみの様でした。普通は噴火があると1、2年は火山灰が降り続き、農家は大迷惑なのです。平成元年の噴火では大量の火山灰が降り積もり電柱ではガイシに積もった火山灰でショートし停電が、農業ビニールハウスでは光が差し込まなくなり、私の所属していた消防団は消防ポンプを使い、地区の数十棟のビニールハウスの火山灰を洗い流した思い出が有ります。稲刈りの時はコンバインのチェーンが火山灰で摩耗して壊れたり、牛を飼っていた頃、火山灰のついた草を食べさせると流産すると言われたり、火山灰についての話題は尽きません。こんなに住民泣かせの阿蘇山なのですが阿蘇の住人にとってはかけがえのない宝物なのです。これからも阿蘇山を毎日眺めながら、農業に精を出していきます。
大地の恵み 前述しました様に今年は夏が長かったお陰で我が家の菜園も永く楽しむことが出来ました。有機JASとして販売しているトマトは勿論、ナスの糠漬け。夏に楽しんだスイカのつるをそのままにしていたところ2番成りが出来ました。頃合いをみて食べたところ糖度も上々。トマトに使う天敵昆虫を放したので最後までつるがしっかりして沢山のスイカを楽しみました。また冬野菜も育っています。ラディッシュは、種を蒔いてひと月もしないで成長し、甘酢漬けにしました。大根は一か所に2,3粒、種を蒔くので頃合いを見て間引きします。間引いた物は漬物にすると、これまた絶品です。阿蘇の大地の恵みです。
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